にのだん社会保険労務士事務所

人と人をつなぐ「たすき」となり

人事労務管理全般をサポートします

にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和3年5月号(No.18)

【5月病を恐れないこと】             

今月のテーマは「5月病」です。昔から4月に就職・転職された人が気持ちを高めてスタートしたあと5月の連休が過ぎてから研修が終わり実践開始となるタイミングも合わさって環境の変化に伴う心身の負担、ストレスが起こりやすい時期であると言われています。さらに現在はコロナ禍の影響により仕事とストレスは切っても切れない状況かもしれません。 私自身、たくさんの仕事を経験しましたが、「5月病かな」と思ったことは何回もありました。基本的に仕事に対して前向きになりにくい性格であったため、5月でなくても「この仕事、自分には向いてないなあ」「辞めたいなあ」とぼやくことは多々ありました。自分にとって記憶に残っているのは、大学生の時、コンビニのアルバイトである程度オーナーから仕事の責任も任され、シフトを組むことも依頼された頃からシフトに穴を空けないように自分が仕事に入らないといけない時間が昼も夜も増え始めた時、最初は責任感と緊張感を感じながら仕事をしていましたが、だんだんとストレスがたまったせいか、家に帰ると突然、顔の半分が動かなくなるいわゆる「顔面神経麻痺」の症状が出てしまいました。顔半分動かなくなると当然口も半分麻痺して動かないので、飲み物は口からこぼれてしまいます。病院のリハビリで約1ヵ月、顔に電気を当てながら、カラオケやスポーツなど気分転換によりようやく治りました。あのような経験を二度としないためにもストレスを溜めないことを常に心掛けてはいますが、やはり完全に無くなることはありません。しかし、私はそれで良いと思うんです。ストレスゼロより少しでもストレスを感じながら生きていくほうが生活にもメリハリを感じることが出来ます。「今日も無事に仕事が終わった」という実感。生きる幸せを感じるというと大げさかもしれませんが、ストレスと趣味や休息の共存により「心の健康」が保たれるのかもしれません。そのためにストレスをため過ぎないようバランスが重要となります。私はおかげさまでよく会話する家族がいるため「とにかく話をよくする」そして家族が喜ぶ顔を見たいから「料理をする」そしてそれら以外にも「ギターで弾き語り」や「ランニング」など好きなことも適度に織り交ぜながら、ストレスと共に生きているのかもしれません。 現在、閉塞感やテレワークなどで本来のコミュニケーションが取れない状況で仕事をしている方もいるかもしれませんが、顔と顔を合わせてざっくばらんに話す時間を作ったり、お店に行けなくても「オンライン飲み会」で語り合う機会を設けるなど知恵とアイデアを持ち合わせれば「5月病 恐るるに足りず」になるのではないでしょうか。

【年金検定1級合格しました】

昨年、偶然にもネットで一般社団法人 日本金融人材育成協会が「第1回 年金検定1級試験」を行う情報を知り、記念すべき第1回目の試験、そして1級という名称、さらに社会保険労務士としてぜひともチャレンジしたい気持ちが強くなり、今年の3月に受験し、何とか4月に合格証書が届きました。  問題用紙は当日回収されたため、おぼろげな記憶ですが、年金に関する基礎知識用語や数字を埋める穴埋め問題、出題された事例から具体的な年金見込み額を電卓で算出する計算問題、さらに年金と密接する健康保険や介護保険の記述式問題など、横断的に社会保険関連の問題が出題されている点ではバランスの取れた試験であったと感じました。  現在、私は年金に関する手続きや相談業務の仕事もさせていただいていますが、正直、年金は複雑な知識と理解が要求されるため、日々の自己研鑽が求められます。老後の安定な生活基盤となるべき老齢年金、自身に何か起こった時に保障されるべき遺族年金や障害年金、当然ですが請求するために様々な受給要件が求められます。さらに離婚した場合の「年金分割」や厚生年金被保険者として、働きながら年金を受給する際に、報酬によっては老齢厚生年金が支給停止される「在職老齢年金制度」65歳前から早めに年金を請求する「繰り上げ請求(請求後は減額された年金を受給)」や反対に65歳時に決定する年金の時期を後ろにずらして請求する「繰り下げ請求(請求後は割増された年金を受給)」など年金制度を言い始めたら切りがありませんが、令和4年4月からは年金制度の大幅な改正も控えています。  話は変わりますが、若い従業員さんにとって毎月の給料からの天引き、特に厚生年金などの社会保険料の天引きはルールで決められているとはいえ大変痛い出金であると感じているのではないでしょうか?「天引きの計算合ってるんだろうか?」「年金なんて本当は払いたくないのに、こんなに引かれるんだったら仕事を辞めようか」など疑問や不信感が生まれる要因になるかもしれません。しかし事業所の人事労務担当者さんが、的確に保険料の計算方法を伝える、そして支払いを積み重ねた保険料は将来の自分、残された家族の生活を支える重要な保障となることを年金見込み額の試算も交えて伝えることが少しでも出来れば、従業員さんが抱いていた不安や不満の解消につながるかもしれません。そしてさらに、そのような高い社会保険料と同額もしくはそれ以上の金額を事業所も同時に負担している「有意義な福利厚生」を若い従業員さんに理解してもらうことはとても重要であると感じます。  昨年、私の知り合いである個人事業主さんが従業員のために任意適用による健康保険と厚生年金の社会保険加入(従業員のみ加入可)をされた話を聞きました。保険料の事業主負担はとても厳しいと話されていましたが、従業員さんの福利厚生のために加入されたことは大変立派であり、離職率の低下や雇用の継続、そして何より事業所や事業主さんへの感謝の気持ちにつながるのではないでしょうか。  

~最後までお読みいただきありがとうございました~